
ばぁちゃんちの宴
炬燵の隣にテーブルをくっつけて
そこが子供たちの席
ばぁちゃんの赤飯
ともこさんの唐揚げ
りんご入りのポテトサラダ
大ぶりの煮物
畑のほうれん草
豪快なお刺身
グラタンとアメリカンドッグ
たくあん漬け
茹でおきのうどん
30年以上変わらない献立と
令和の新顔おかず
この食卓を囲むのは何年ぶりだろう
誰も写真を撮る者なんていない
彼らには当たり前の風景
恥ずかしくて我慢したけど
涙が零れそうだった
私には眩しかった
そう、少し前の私には眩しすぎて
この場に座る勇気がなかった
“普通”になれなかった私は
こんな温かい場は不釣り合いだと決めつけた
大切な原風景のひとつ
今、ここで笑う自分を祝福しよう
tomo